懐メロに思うこと

私は子供のころ、おそらく小学生くらいのころだったと思うが、両親が懐メロのテレビを見るのがとても嫌いだった。よく年末の特番でやっていたような番組だ。見たことも無い人が、聞いたこともない曲を歌うのが嫌だった。なんだかよくわからないのに、大御所風な立ち回りをしているのも嫌だった。一体なぜ、そんなものに興味を示すのかがまったくわからなかった。でも、そんなことを口に出すようになったのは、もっと大きくなってからだった。何となく、ただ何となくなのだけれど、そんなことを言ってはいけないような気がしていたから。

ところが、自分では、まったく成長していないと思っていたが、ゆっくりと確実に年を取っているということを感じてしまった。そう、懐メロ。20年前くらいに聴いていたような曲を聴くと、とても懐かしい。それほどの思い出があるわけではないし、かみ締めるような栄光の日々や、血反吐吐くようなつらい思い出があるわけでは無いのだけれど、なんだか心地よい。

何だか、そんな気がするようになってきた。しかし脳の進化が完全に停止したような気になって、若干憂鬱でもある。まあ医学的にはとっくに停止しているのだろうけど、そういう停止ではなくて、無論、脳に新しいインプットを積極的に行う機能が停止しているような気分である。そんなに知識や経験の蓄えがあるわけではないので、ここでとまると枯渇してしまうかもしれない。新しいものを吸収しようとする動機のようなものが希薄になってきているような気がする。

関係ないが、もう一台のパソコンのHDDが、ものすごい音を立てている。ほんとうにものすごい。ガーガーガーガーガリガリガリガリーパチンブチンパチンブチン。壊れそうだ。