二年前の思い出(悪夢)

私と同じように、アメリカに転籍してくる予定の人がいて、今日ばったりと会った。そしたら、何だか二年前のストレスを思い出した。思い出すままに書いてみよう。


いつまでたっても、何をどのくらい会社が負担するのか、ぼんや〜りとしか決まらない。家族もちとしては、かなりのストレスであった。今思えば、「何とかなるんじゃないの」って大きく構えていればよかったんだなと思う。このファジーさ、最初の洗礼だったかも。不安もたくさんあったしね。

  • SSNが発行されない

いくらなんでも6週間もかかる分けないとタカをくくっていたのだけど、本当に6週間もかかった。しかもこれが無いと、税処理が出来ないので、給与支払いが日本のままになる。さらに、アメリカの給与システムに組み込まれないと、保険などのBenefitを受けられない。これはいらいらした。

  • 運転免許の学科試験

猛烈に頭が悪いのか、2度も落ちて3度目にぎりぎりで通った。1度目はたしか6問の間違いが許されるのに、2度目以降は3問になる。正しく覚えていれば、1度目、7問ミス、2度目、4問ミス、3度目、2問ミスで通った記憶がある。これを一日でやったので、かなり精神的に疲労

  • その後の実施試験

日本でもそうだったけど、鬼軍曹みたいなやつに助手席に乗られて、無言でコリコリと鉛筆を走らされるのは、猛烈なストレスだった。暑かったのもあるけど、背中に汗かきまくりでした。また、レンタカーだとそのままで試験受けられないなんていわれるから、ハーツまでいってレターを書いてもらう必要があった。

  • アパートの調整

会社が用意したアパートにはいろいろあって住むのが嫌(2度も引越ししたくなかった)ので、最初から自分で借りるアパートを決めようとした。ところが当然のごとく、家具が船でどんぶらこっことやってくるのを待たねばならないので、それまでの間何とかしなければならない。30日くらいで届くと言うアバウトな情報しかない。だいたいどこのアパートも、レンタル家具は3ヶ月が最短なんて言われて、最終的に「1ヶ月でもいいよ」といってくれたところに決めた。これには落ちがあって、結果的に1ヶ月と5日借りたんだけど、5日オーバーしたから2か月分とられた。

  • 電気ガス水道ごみ電話など

これらも、SSNが無いと取れないといわれて、アパートのマネージャの名前で代行してもらった。代行費用で、「全部で200ドルね」なんていわれて、すごすご払った。もちろん、こんなに高くない。SSNの無い自分を恨んだ。たいしたこと無いんだけど、何だか「生きていく」ことだけに必死にならなければならないのが、よく言えばいい経験だったけど、すごいストレスだった。

  • 電話

電話もSSNが無いと引けないと聞いていたから遠慮してたけど、これはガセだった。そのせいで電話を引くのが猛烈に遅れた。まあ携帯があったからいいんだけど。さらに電話関係で苦労したのは、押し売りFAX。全然知らないやつがFAXでブロードキャストしてきて、「家のローンが安いでっせ」とか「安い保険があるから切り替えろ」とか、そんなのがうじゃうじゃ届く。これはうざかった。

  • 携帯電話

携帯電話、自分のは会社で用意してもらったけど、妻の分が無い。クレジットヒストリーが無いと、豪快なディポジットを要求されるので、半年待ったら大丈夫になった。何だか人間扱いされていないような嫌な気分だった。

  • ネット

アパートに、「T1サービス!」なるものがあって、30ドル/月を払っていたのだけれど、これのまあ遅いこと。直前に使っていたYahoo 12Mと比べても、猛烈に遅い。遅いなんてもんじゃない。アパートの中にイーサネットが引いてあって、外にはT1が一本出ているだけ。これじゃ遅い決まってる。しかも、何もしてないのにやたらと受信ランプがつくから、キャプチャーしてみたら、どうやら外からDoS風のアタックを喰らっていた模様。もう勘弁して。何がT1だ!

  • 売る人と買う人の関係

これには、最初相当いらいらした。「それが客に対する態度か!」と思うこともしばしば。子供の自転車を買いに行ったときのこと、

店「5時には出来てるから」
私「じゃあ6時にとりに行くね」
店「オッケー、待ってるね」
私「うっす」


なんていう会話は、ほとんど幻に過ぎないことを知った。案の定6時に行っても、まだ準備を始めてすらいなかった。これにより、期待値を下げると言う業を身につけた。

  • 車のセールスマン

前のともかぶるが、これは本当に最悪。引っ越してきてすぐに必要なもので、一番嫌な思いをした。2時間以上もかけて交渉して、例によって「ちょっとマネージャーに聞いてくる」なんて嘘をつきながら時間つぶして、「いや〜もう限界だね、だめだよ」とか言うことを繰り返しやがる。最後は、たいした値引きでもないくせに、「お前はタフネゴシエーターだ」などと抜かして、さも安く買った客扱いされた。(当然、実際にはたいしたこと無い)で、家に帰って、ディーラーの広告をみると、自分の買った車のVIN#で、特売の案内を出していやがった。引き出した値引きの倍以上のオファー。猛烈に頭にきたので、ディーラーのトップにFAX、メーカーにもレターの応酬。で、1日か2日後に、営業マネージャーから電話。「こちらのミスです。チェック返します。値段調整します」とな。おそらく、本当にミスだったんだと信じているけど、「だますつもりなんてこれっぽっちも無かったんだ、すまん、すまん」とか連呼されても、無性に気分悪かった。こんな学習をしていたので、この間車買ったときはは駆け引きを楽しんでみた。(そろそろ奥の部屋に行くだろうな〜、俺には権限が無いとかいうだろうな〜、今日決めてくれるなら最後のオファーだとか言うだろうな〜)なんて考えながら、交渉した。最後は思い通りにならなかったけど、まあまあだったのでよしとする。

  • 朝の挨拶

私は朝が弱い。朝絶好調などと言うことはまず無い。だから朝のお約束の挨拶で、「おっはよ〜、どう調子?」なんてルーチン挨拶があるわけですが、「おぉ、最高だね、どう?」なんてどうしても言えない。こればかりは2年たっても慣れない。3日に2日くらいは嘘ついてる。でも別に意味は無いらしいから、プリグーとか言ってればいいんだろうな。「いや、それがさ昨日から胃が痛いんだよね」なんていうと、ほんとに引きやがるからな。

  • テレビ

今まで、CATVやサテライトをちゃんとお金を払ったことが無いから正確ではないけど、ものすごく画像が非鮮明。なんだか、昭和50年代の、台風襲撃時のテレビの映り方みたい。Digital CATVにすれば、クリアなHD画像でも見れるのだろうか。それにしても高い。ComcastのOndemandはなかなか評判が良いみたいだけど。

  • 小切手

パーソナルチェックと言うやつですが、何でこんな原始的なもの使うのかがまったくいまだに理解不能。それだけミスが多いと言うことなんだろうけど。クレジットカードをバンバン使って、ミスがあるか目を凝らしてチェックして、納得した金額だけ小切手を郵送して、怪しいのがあれば、不正使用のレポートする。見たいな感じでしょうか。何だか変な感じがする。

  • 夏時間冬時間

たいした問題じゃないけど、1時間のずれはうっとおしい。寧ろ5時間くらいずれれば、あきらめもつくが、1時間と言う微妙なずれが体調を崩す。

全般的に言って、慣れちゃうと生活に刺激が無くなる。期待値を下げてるから、怒ることも減った。ものすごい田舎だから、アウトドア趣向の人はいいかもしれないけど、私のような人間には極めて退屈と言わざるを得ない。趣味が必要だ。

  • 保険の仕組み

保険だけじゃないんだけど、Benefitの仕組みが、誰から何回聞いても、スパッと理解できないストレス。今までこんな自由にさらされたことがないせいか、恐ろしく不安になった。

  • 恐怖の税金

兎に角高い。信じられないほど高い。日本の税金が高いといっていた自分を笑えるほどだ。税金を下げる方法はあるのだけど、もっと腰を落ち着けてここに住む覚悟がナイト、あまり効果的には下げられない。グリーンカードが必須ではないかもしれないけど、すくなくとも同程度の覚悟はいるかな。


まだまだありそうだけど、このくらいにしないとブルーになりそうなので止めておこう。こんなに不満なのに、なんで住んでいるんだろう。それはまた次回、ここの良いところをまとめて書いてみよう。